新しい時代の「ターミネーター:ニューフェイト」(ネタバレ有り)感想&考察
ターミネーター:ニューフェイト見てきました、
本当に面白かった。
ターミネーターの2の正当な続編と謳うだけあってターミネーター1、2とも整合性がとれていて、うまく後付して映画作ったなあという感じです。
正直前作の「ターミネーター:新起動ジェネシス」には心底がっかりしてもうターミネーターシリーズも終わりだなぐらいに思っていたのですが、今作は前作のつまらなさを全部払しょくしてこれぞ新時代のターミネーターという感じがあって本当に楽しかったです。
シリーズの原作者が作るだけでこんなにも面白かったころのターミネーターが見られるなんて。シリーズ2までのターミネーターが好きな人は絶対に見たほうがいいです。
観ないと後悔します。
スターウォーズもジョージルーカスが作ればいいのになぁ…
キャラごとの感想&考察
書きたいことは色々あるですが、とりあえずキャラごとに印象的なシーンを含めて紹介していきます。
予告編を見てしまうとある程度ストーリーがわからないため前情報は一切なしで見ました。
ジョン・コナー
まさかのオープニングで退場。
T-800に殺されたのを見て「えー」と思わず漏らしそうになるぐらいあっけない退場でした。役者とかの関係もあるのでしょうけど、未来のかっこいい指導者になったジョン・コナー一回ぐらいは見てみたかったんですよね…。
ジョンを新型ターミネーターに改造した「ターミネーター:ジェニシス」、お前のことは未来永劫赦さんからな。
サラ・コナー
出演するとは聞いていたけど予想以上に老けていたのにまずびっくりしました。
調べてみたら御年63歳。思っていた以上に若かったですけど、これでハードなアクションできるのかと思っていたら、全編通して派手に動き回っていました。
プロってすごい。
最初にグラサンかけて助けに来た時「まじかっけえ…」ってなりました。
私もなれる物ならあんな風にカッコイイおばあさんになりたい。
熟練の兵士、みたいな雰囲気で(実際そうなのですが)、冷静に判断を下す。
大抵敵に襲われた時もサラがいれば何とかなる、と思えるぐらい頼りがいがありました。
今作で一番恰好がよかったのではないでしょうか。
オープニングの語りで「私は未来を救えたけど、たった一人の息子を救えなかった」みたいな感じで語ってきたのを見て、監督サラに酷すぎやしないか…って思いました。
あんなに必死に頑張って未来を守ったのに一番大事な息子を目の前で殺されたのはどれぐらいの苦しみだったことか。
サラの気になったシーン
・ダニーの支援者がT-800だと分かったときに発砲するシーン
このシーンは、今までの歴戦の兵士の顔からただ一人の母親の顔になるのがうまいなと思いました。あのシーンがなければサラはパーティーにおける先導者という役割だけだったのですが、あのシーンをだすことによっていくら経験を積んだサラであっても息子の仇の前では冷静になれない母親の感情、ああサラも一人の母親なんだな、という認識を視聴者に認識させたかったのではないでしょうか。
T-800のことを「カールなんて呼ばないわよ」と言わせといて、最後の最後に呼ばせるのもずるいなあと思いました。
・ダニーが未来の指導者だと分かるシーン
「未来からくるターミネーターをぶっ壊すことだけが私の生きがい」とただ復讐者の生き方をしていた彼女でしたが、映画の途中でダニーが未来の指導者だということを知らされ「そう…あなたがジョンなのね…」とつぶやいていたシーン。
最初はダニーも自分と同じ境遇にあると思い、過去の自分を助けるつもりでダニーを助けていたのですがここのシーンではっきりサラのダニーに対する認識が変わったと思われます。
サラは息子のジョンを守れませんでしたが、ジョンに代わる存在を見出し、最後まで守れたことで彼女も救われたのではないでしょうか。
映画の最後のシーンでダニーと未来のために戦うことを選んだ彼女は、これからはただ復讐をするために生きるのではなく未来を担うダニーを育てると同時に戦っていく、という前向きな?目標を胸に生きていくのでしょう。
T-800
シュワちゃんも老けたな!
でもあの年齢で筋肉ムッキムキなの並大抵の努力では体系を維持できないんでしょうね。
プロってすごい(2回目)
T-800は かんじょうが めばえた !
まあアンドロイドものにはお約束な展開っちゃあお約束な展開なんですが、でもまさか妻子持ちになるまで愛が芽生えるとは思ってませんでした。
オープニングでは若いころの容姿をしていましたが、妻子にばれないように歳を重ねるごとに顔とかの見た目も年を取ったように変えていったってことなんですかね…。
顔に似合わず芸達者なT-800。
グレースが激しく素早いアクション担当なのに対し、T-800はパワー攻撃でしたね。
ターミネーター2でも流動的、液体的な敵が出てきて、今回も液体的(というか泥?)みたいな敵が出てきたのは2のオマージュなのかなって勝手に思ってました。
要所要所でいいところは持っていくんですが、今回は控えめな出番でしたね。
どっちかというとサポート的な立場にあってまあシュワちゃんも年だからしかたがないのかなって。
T-800の気になったシーン
・妻子と別れるシーン
妻子と別れた後にダニーと会話をしたときに「人間より深く愛せないのが強みだと思っていた」みたいなことを話したシーン。
T-800…。
・サングラスをかけなかったシーン
ターミネーターのシュワちゃんといえばサングラスでしたが今回のT-800はサングラスを鏡の前でかけようと一瞬悩み、かけませんでした。
このシーンはいわばシリーズのお約束みたいなシーンだったので肩透かしを食らいましたが、よくよく考えてみたらここってかなり大事なシーンではないかなと思いました。
前シリーズを見たのはかなり前なので詳細は覚えてはいませんが、T-800がサングラスをかけるのはミッションを遂行するときにかけるものでした。
今作のT-800はサラが未来を変えたことでスカイネットから解放され、自由に生きることができるようになりました。「自分に感情が芽生えた」と申告しているとおり、実際彼は人間と遜色ない気遣いを見せたり、ジョークを話すばかりではなく、普通の人間の家族みたいに家族写真を飾るまでに愛を理解し、「人間らしく」なっていました。
また今回の敵REV-9のことを「ミッションを遂行することしか考えていない」と評しており、暗に自分も昔はそうだったということをにおわせてきます。
このことからミッションを遂行する感情のないターミネーターのときはサングラスをかけますが、今回感情を得たT-800はターミネーターとしてではなく、一人の人間としてダニーを助けることを示したのではと推測できます。
妄想です。
・T-800の最期
「ジョンのために…」
ひきょうすぎるだろおおおおおおお!!!!
自己犠牲をするロボットは「鉄腕アトム」からのお約束。
グレース
すごく…イケメンでした。それにつきます。
私は「あなたは私の光なの…」に弱いんです…やめてください…。
今回未来から助けに来た助っ人が強化人間だったのが謎なんですよね。ここだけはどういう意図があってターミネーターから強化人間に配置替えしたのでしょうか。
何かわかった方がいらっしゃったら教えてください。
グレースの気になったシーン
・薬ブツブツ打つシーン
最後には敵を倒すために自分が犠牲になるグレースでしたが、映画の途中途中で薬をブツブツ打ってて最後まで持つのか…?とすごく不安になってみてました。
結果的にグレースは自らを犠牲にしていましたが、それがなくてもグレースは本当は身体が持たなかったのではないかと思います。
グレースのほかにも未来では強化人間がいたようなことをにおわせていましたが、そこまでしないと拮抗を保てないぐらいに人類は追い詰められているんでしょうね…。
紅花ルートのタルティーン平原戦を思い出していやなきぶんになりましたよ…
・子供のころのグレース
最後のシーンで子供のころのグレースが出ていましたが、グレースはあんな未来が起きなければ普通に笑って、髪を伸ばして二つ結いにするような女の子だったんですよね…。
ぜひダニーには頑張ってもらってあんな未来が起きないように頑張っていただきたい。
ダニー・ラモス
正直あまり個性を発揮していないように思えました。覚醒しかけてはいるんですけど、まだまだ開花はしていない、そんな感じでした。
その分未来のダニーは髪を編み込んだりして動きやすい髪形にしてたり、大の男三人を簡単に制圧したりととんでもない戦闘能力を発揮していたりしてギャップに驚いていたんですが、サラがコーチをすればそれぐらいできるようになるのも納得というかなんというか。
最初は車の運転ができなかった彼女が、最後のシーンではサラを助手席に乗せ走り去っていく、ここに彼女の成長が見られます。
終始守られる立場であまり戦闘シーンに参加していませんでしたが、最後のとどめをさそうと敵に立ち向かうシーン、いいぞもっとやれ!!!とダニーと一体の気持ちになって観られました。
彼女にはこれからも様々な受難があるでしょうがぜひ未来のために頑張って立ち向かってほしいです。
それはそうと指名手配のサラとこれからどうやって生活をしていくのか。
映画全体の感想
今回個人的に感じたことは女性がリーダーになれる時代が来た、ということです。
「ターミネーター」でサラ・コナーが狙われた理由としては、サラ・コナーが指導者となるのではなく、サラの将来の息子が将来反乱軍の指導者となるから生まれる前にサラを殺す、というものでした。
しかし今作の主人公ダニーが狙われた理由としては、彼女自身が反乱軍の指導者になりえる、ということでした。しかも彼女は白人ではなくメキシコ人(つまりは純粋な白人ではない)なのでここでも人種の壁を乗り越えて女性がリーダーになれる、ということを強調したかったのではないかと推測できます。
また、今までターミネーターに襲われて守るのは男型のターミネーター(シュワちゃん)だったのに対し、今回未来から来たボディーガード役を担うのは女性の強化人間でした。女性自身が自分のみを守るために戦うのは前提として、従来の「男が女性を守る」というお約束から「女性が女性を守る」というのはありそうでなかなかなかったパターンなのでそこがとても斬新に私には思えました。
まとめ
従来のターミネーターの息もつかせぬ展開、アクション、ストーリー!
それに加えて今の時代の要素も加わり、最高の出来になっています!
昔のターミネーターが好きな人こそ見るべき映画だと私は思います。